
コロナ禍を経て、日本ではインバウンド観光客が急増しています。しかし、多くのキャンプ場ではインバウンド対応が進んでおらず、その恩恵を十分に受けられていません。キャンプ場のインバウンド戦略を見直し、今後の成長市場を取り込むことが重要です。
日本のGDPに占める観光収入は2013年で0.4%、世界の平均は1.8%と伸び代があります。日本の観光産業は成長余地が大きく、特にキャンプ場 インバウンド市場は未開拓の部分が多いということです。日本国内だと人口は1億人強のマーケットですが、海外旅行をする世界の人口はなんと14億人、つまり、インバウンド向けの対応をするだけで、今の14倍の潜在的なお客様を抱えることができます。
特に、インバウンド向けを誘致するメリットは、
- 口コミで良いレビューを書いてくれる傾向がある(日本人は割と辛口)
- 平日の予約を埋めてもらうことができる
- せっかくの海外旅行なので、お金を多く落としてくれる可能性が高い
の3つです。
他業界では、上記利点から完全にインバウンドに振り切っているホテルもあり、成功を収めています。
この記事では、キャンプ場の経営者やアウトドア関連事業の従事者が、インバウンド向けの対策を始められるようになることを目的としており、日本が観光立国として自立していく重要な役割を、アウトドアでも担いたい、と考えて書いています。
Contents
一番大切なのは、インバウンドを受け入れる心構え
まず最初に、インバウンド対策を行う上で最も重要なのは、外国からのお客様を受け入れる心構えです。
少し考えてみて下さい、明日から急にコミュニケーションのハードルがあるお客様が来て、明確に、異なる文化やバックグラウンドを持っているお客様です。また、どのような行動をされるか、いつも使ってくれてる日本のお客様からしても、予想がつかない可能性があります。
もちろんこれは、最悪のケースの想定ですので、ある程度、場所を整えることで、リスクをコントロールすることは可能です。
そこで、改めて問います。
外国からのお客様を受け入れる覚悟はありますか?
これは、大きな方針転換になる選択です。でも、異なる文化や言語を持つ観光客が訪れることを前提に、柔軟な対応ができるように心がけることは、あなたの施設の強い魅力の一つになりますし、今の社会がいつか必ず向かっていく方向で、今始めればまだ間に合います。
OKですね。では、あなたの施設やスタッフは、外国からのお客様を喜んでお迎えする気持ちがある、という前提で、以下具体的なステップに移ります。

キャンプ場のインバウンド向けの対応
キャンプ場のインバウンド向けの対応でまず取り掛かるべきは日本語以外の言語、つまり、英語、中国語、韓国語などの外国語対応を行なっていくことです。ベストな対応は、スタッフの研修を実施するか、外国人スタッフを雇用することですが、一足飛びすぎます。
だってそんな人、周りにそうそういないではないですか。
将来、サービスを改善するためには必要なステップかもしれませんが、ここではベター、つまりそこそこを目指し、今すぐにできそうなこと、からやっていきましょう。
キャンプ場の現場での外国語化
コミュニケーションを取る
例えば、翻訳アプリを利用したコミュニケーションをやってみてください。翻訳アプリを活用して、拙くても言葉の壁を乗り越えたコミュニケーションをしてみましょう。 あなたがコミュニケーションを取ろうとしてくれている、そういう安心感をお客様に与えることが大切です。よく考えてみてください、そもそも異国の地でキャンプをしようという(今は)奇特な方です、日本人の大半が日本語しか話せないのは知っています。そこで流暢な外国語を話す必要はないんです。 あなたが海外旅行をして、拙い日本語で説明を受けて、怒ることはあるでしょうか?逆に、とても嬉しく感じますよね。それで大丈夫なんです。
場内案内・看板の多言語対応
キャンプ場内の案内や看板も、英語や中国語、韓国語などの外国語に対応させることで、お客様が迷わずに利用できます。ただ全て別の言語が並んでいると、それはそれで景観を損ねたりしますよね。そう言う時は、記号やピクトグラムを目立つように変えてみましょう。ユニバーサルデザイン、というものです。日本語だけで表記しているところを入れ替えるだけでも構いません。今一度見渡してみましょう。
案内や場内説明の多言語化
もしお客様に配っているものがあれば、同じデザインにする必要はないので、外国の方向けに翻訳をして、用意しましょう。デザインデータから文章をコピー&ペーストして、Google翻訳でもDeepLでもいいので、特定の言語に翻訳をしましょう。 おそらく、英語、中国語繁体語、中国語簡体語、韓国語、強いていうならスペイン語、を用意できれば、大半の人をカバーできます。大事なのは、完璧を目指さないこと、できる範囲で構いません。 誰か、指摘する人が出てきたら、教えてもらい、修正すれば大丈夫です。 日本ではあまり馴染みがないのですが、機械翻訳が理由で、Webサイトを離脱する人は少ない、という調査があります。余力が出てきたり、専門の方が現れた段階で、徐々にブラッシュアップしていきましょう。

インバウンドの集客面での外国語化
現場側の準備はこれでできたと思います。ここからは、お客様が来る手前の、集客や販促をどう行うか、になります。
ウェブサイトの多言語対応
自社のウェブサイトを英語や中国語、韓国語などに対応させましょう、情報が伝わりやすくなります。
ただ、ご自身でできない場合は、コストがかかる対応になります。 最近では、ブラウザで自動的に翻訳をしてくれる機能も出てきていますので、その場合は、テキストがちゃんと選択できるわかりやすい文章やレイアウト、サイトにすることや、写真を増やすなど、文字情報以外にもイメージできるものを増やしましょう。
画像などに入り込んでいるものは自動翻訳では翻訳されない可能性がありますので要注意です。 理想的には、各言語向けに、別ページを作ることではありますが、今から始めるあなたの外国語ページに人が飛んでくるにはまだ少し時間がかかりますので、後回しでいいでしょう。
インバウンドが見るOTAへの登録
残念ながら、日本のキャンプ場に特化している各種予約サービスは、2025年現在、まだ多言語化対応ができていません。
そこで、キャンプ場のインバウンド集客の拡大には、Booking.com、Agoda、ExpediaなどのOTA(オンライン旅行代理店)への登録が重要です。特に、外国人観光客は日本のローカルな予約サイトよりも国際的なプラットフォームを利用する傾向が強いため、OTAを活用することで海外市場へアプローチしやすくなります。
問題は予約枠の管理になりますが、これは、例えば、あなたが外国の方に来て欲しい日だけ予約枠を開放し、普段使っている予約システムの枠を一部減らしておく、という対応を行えば対処できます。
例えば、日本の夏休みや大型連休は、もしかしたら、いつも使っているサービスだけで十分かもしれません。そういう意味では閑散期の平日だけ、例えば5サイトだけ外国の方向けに開放して様子を見る、なども一手ですし、あるいは、海外旅行は国内旅行よりも前から計画する傾向があるので、1ヶ月前に予約を打ち切る、なども一つの方策です。
もちろん、ポリシーに反しない限り、一般予約との価格差もつけてかまわないと思います。為替の問題で、日々変動しますし、ある意味で日本に住む人たちが感じるよりも、高い付加価値を感じてくれる可能性が高いからです。
外国人観光客向けの情報提供
同時に、近隣の観光名所や食事、交通などの情報を提供し、外国人観光客が快適に過ごせるようにサポートしましょう。キャンプにいらっしゃるお客様も様々で、周囲にアクテビティがあるからキャンプ場を利用してくれる方、もこの先出てくると思います。現場の情報提供の紙を作っておく、Webサイトにも書いておく、などが大事です。
特に、Webサイトでは交通アクセスの問題が、一番大きくなります。車でしか行けない、という場所も多いはずですので、以下の国からの人は国際免許があればレンタカーで運転してくることができる、ということは覚えておいて下さい。
▶︎警視庁サイト
その他にも、旅ブログや日本への旅行向けサイトなどの媒体はあります。そちらのご紹介は今後、随時行なっていければと思います。
キャンプ場のインバウンド対応は、これからの観光市場を成長させる重要な戦略のひとつです。
次回の記事では、具体的な運営方法やサービスの充実について詳しく解説していきます。
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