特集記事:The Dyrt 2025年キャンプレポート:アメリカの最新トレンド

The Dyrt report

2025年1月28日に発行されたThe Dyrt 2025年キャンプレポートは、2024年のアメリカにおけるキャンプ市場の動向を詳細に分析している代表的なレポートの一つです。アメリカにおいて、キャンプ人気は依然として高水準を維持しているものの、日本同様一部の変化が見られます。特に、新規キャンパー数の増加、予約の難易度の上昇、グランピングの衰退、ソロキャンプの成長などが今年の主なトピックとなっています。

パンデミック以降、キャンプはアウトドアレジャーとして急成長しましたが、2024年は若干の落ち着きを見せました。それでも、キャンプはインフレの影響を受けにくく、安価なレジャーとしての需要は引き続き強いことが明らかになっています。

キャンプは、単なるレジャー活動ではなく、ストレスを解消し、自然と触れ合う機会を提供する重要なアクティビティで、そのため、経済や社会情勢の変化があっても、キャンプを楽しむ人々の数は大きく減少しないと予想されています。


なお、注意事項として、

  • このレポートはアメリカのTOYOTA TRUCKSと一緒に作成されており、車業界への恣意的な誘導が含まれている可能性があります。
  • このレポートのデータソースに関しThe Dyrtは、「このレポートは、2024年10月にE2E Research Services Pvt. Ltd.が実施した1,000人の米国居住者を対象とした調査、および2024年10月と11月にThe Dyrtのユーザー5,000人以上を対象に実施した調査、さらに全50州のキャンプ場ホストおよびキャンプ場管理者を対象とした調査に基づいています。また、一部の回答者には、追加情報の提供やインタビューのために、連絡の意思を示した後に連絡を取らせていただきました。」と述べています。

1. アメリカの最新トレンド

(1) キャンプ人口の推移

2024年のアメリカのキャンプ人口は8,110万人で、2023年の8,480万人から若干減少しましたが、依然として歴史的に高い水準です。特に、2021年以降の新規キャンパーの累積は2,500万人以上に達しており、キャンプ市場が長期的に拡大していることが示されています。

アメリカでは、家族や友人とのキャンプが人気ですが、近年は一人でキャンプを楽しむ人も増えています。特に若年層の間では「アウトドアを手軽に楽しめる手段」として、キャンプの人気が高まっています。

年齢層別では、35〜44歳が最も多く(20.4%)、次いで45〜54歳(18.8%)となっており、若年層の関心も引き続き高いことが確認されています。また、18〜34歳の若者層の中で、「過去10年間でキャンプへの関心が高まった」と答えた割合は45.1%と、他の年齢層よりも顕著です。

(2) キャンパー層の多様化(BIPOC・LGBTQIA+の増加)

アメリカではキャンパー層がますます多様化しており、2024年の新規キャンパーの30.7%がBIPOC(黒人・先住民・有色人種)で、12.4%がLGBTQIA+と回答しました。

BIPOCとは、Black(黒人)、Indigenous(先住民)、People of Color(有色人種)を指す略称で、マイノリティー(少数派)とされてきた人々を包括的に示す言葉で、アメリカの人口の42.2%を占めます。近年のアメリカ社会の多様性を受け、アウトドア業界もより多くの人々に開かれたものになってきています。

LGBTQIA+は、性的指向や性自認の多様性を表す言葉で、アメリカの人口の7.2%を占めます。近年はキャンプに参加するLGBTQIA+の人々が増えていることが明らかになっています。

(3) キャンプの同行者データ:ペットも大切なパートナー

キャンプの同行者として最も多いのは「配偶者・パートナー」で、73.2%の人が一緒にキャンプをしていると回答しています。次いで39.3%が「友人」、30.8%が「子ども」と一緒にキャンプをしている。家族や親しい人たちと一緒に過ごす時間を大切にしているキャンパーが多いようです。

また、ペットと一緒にキャンプを楽しむ人も多く、49.7%の人が犬と、4.8%の人が猫とキャンプをしていることがわかりました。その他にも、馬、ウサギ、オウム、フトアゴヒゲトカゲ、ミニブタ、魚など、さまざまなペットとアウトドアを楽しむ人がいるようです。

(4) キャンセル・ノーショーの減少と予約状況

キャンセル・ノーショーの減少

2024年は、すべてのキャンセルおよびノーショー(無断キャンセル)の割合が減少しました。特に、キャンセルやノーショーは前年と比較して16.7%減少し、より多くのキャンパーが予約したキャンプ場を実際に利用するようになりました。

具体的なデータとして、以下のような変化が見られました:

  • 2日以上前のキャンセル:25.8%(前年比-3.3%)
  • 1日以上早くキャンプを切り上げた:12.8%(前年比-3.9%)
  • 2日以内の直前キャンセル:6.9%(前年比-3.8%)
  • ノーショー(無断キャンセル):4%(前年比-7%)
  • 1日以上遅れて到着:3.7%(前年比-0.5%)

その結果、2024年には70.7%のキャンパーが予約したすべてのキャンプ場を実際に利用し、この割合は2023年の58.9%から大幅に増加しました。

この傾向の背景には、キャンパーの意識の変化に加え、キャンプ場運営者がキャンセルポリシーの厳格化や事前決済の導入を進めたことが影響している可能性があります。

収入が高いキャンパーはノーショー率が高い傾向

一方で、収入の高いキャンパーほどノーショーの割合が高いこともデータから明らかになっています。年収10万ドル(1500万円)以上のキャンパーは、年収$5万ドル(750万円)未満のキャンパーに比べてノーショーの可能性が2倍高いという結果が出ています。これは、経済的に余裕のあるキャンパーほど、直前で予定を変更しやすい傾向があるためと考えられます。ま、約の難易度は再び上昇し、56.1%のキャンパーが「希望するサイトを予約できなかった」と回答しています。特に、太平洋地域(Pacific)は予約の競争率が最も高く(66.1%)、中央地域(Central)は比較的予約しやすい傾向にあります。

予約の難易度

また、予約の難易度は再び上昇し、56.1%のキャンパーが「希望するサイトを予約できなかった」と回答しています。特に、太平洋地域(Pacific)は予約の競争率が最も高く(66.1%)、中央地域(Central)は比較的予約しやすい傾向にあります。

(4) インフレとキャンプの関係

インフレの影響で他の旅行手段が高騰する中、キャンプは依然としてコストパフォーマンスの良いレジャーと見なされています

  • 67.6%のキャンパーはインフレの影響を受けずにキャンプを継続
  • 12%はインフレでキャンプを増やした

一方で、キャンプ場の料金は緩やかに上昇しており、2024年は38.9%の施設が値上げしました。これは、運営コストの増加や需要の高まりによるものです。2025年は34.4%のキャンプ場が値上げを計画しているとの意見を持っています。

キャンプは、飛行機を使った海外旅行などと比較すると、費用を抑えながら楽しめる旅行手段の一つとされています。特に、家族連れにとっては経済的な負担を抑えつつ、充実した時間を過ごせる選択肢として人気が高まっています。


2. キャンパーの年齢別トレンド詳細

キャンプは幅広い世代に親しまれていますが、楽しみ方には年齢ごとに大きな違いがあります。レポートによると、若年層は友人とテントキャンプを楽しみ、中年層は家族やペットと快適な設備のあるキャンプ場を好み、シニア層はRVを活用して自由なキャンプを楽しむ傾向が見られました。

(1) 若年層キャンパー(18〜34歳):友人とテントキャンプ

この世代のキャンパーは、60.3%がテントキャンプをメインのスタイルとして選択しており、これは全体平均の2倍です。また、57.7%が友人とキャンプをしており、平均(39.3%)よりも高いことが特徴です。気軽にアウトドアを楽しむスタイルが主流といえます。

(2) 中年層キャンパー(35〜54歳):家族やペットと設備の整ったキャンプ

この世代は、子どもとキャンプする割合が他の世代の2倍近く、また犬と一緒にキャンプする割合も最も高いことが特徴です。

また、リピート率が高く、毎年同じキャンプ場に戻る傾向があり、プールやホットタブ、テニスコート、ドッグパークなどの設備を重視する傾向があります。さらに、リモートワークをする割合(32.6%)が最も高いのもこの世代の特徴です。

(3) シニアキャンパー(55歳以上):RVと無料キャンプを活用

シニア層は、61%がRVやトレーラーをメインのキャンプスタイルとしており、全体平均より50%高い割合を占めています。また、62.8%が無料キャンプを利用し、コストを抑えながらアウトドアを楽しむ傾向があります。

この世代は国立公園(79.1%)やオープンロード探索(73.6%)をキャンプの目的として挙げる人が多く、自由な旅を楽しんでいるようです。


3. キャンプ全体のトレンド

(1) ソロキャンプの動向

近年、ソロキャンプの人気は急上昇しており、2024年には30.6%のキャンパーがソロキャンプを経験しました。これは3年連続での増加傾向を示しており、個人の自由なアウトドア体験への関心が高まっていることが分かります。

ソロキャンプをする主な理由

  • 静かな時間を楽しみたい(69%)
  • 友人や家族の都合に左右されない(50.6%)
  • 思い立ったらすぐに行動できる(28.4%)
  • 一人旅の一環としてキャンプを取り入れる(25.9%)

ソロキャンパーのスタイル

ソロキャンパーは、テントキャンプ(36.2%)やキャンパーバン(12%)を利用する傾向が高く、RVやグランピングを選ぶ割合は全体よりも低めです。自由度の高いスタイルが好まれる一方で、安全面を考慮してペットと一緒にキャンプをする人も多いようです。

(2) ファームキャンプのトレンド

近年、農場でのキャンプ(ファームキャンプ)の人気が急増しており、2024年には14.1%のキャンパーが農場でキャンプを経験しました。これは2019年の3倍以上の増加率で、自然と触れ合いながらのんびり過ごせる点が魅力となっています。

ファームキャンパーの特徴

  • 51.4%がRVやトレーラーを利用(全体平均の45.1%よりも高い)
  • 13.6%がキャンパーバンを選択(全体の8.3%よりも高い)
  • 42.4%が冬のキャンプを楽しむ(全体の28.5%と比較して高い)
  • 36%がソロキャンプとして実施(全体の30.6%よりも多い)

ファームキャンプは、冬季キャンプや単独キャンプとの相性が良く、アウトドアの新しい形として定着しつつあります。

(3) 国立公園でのキャンプ

アメリカの国立公園は依然として人気のキャンプスポットであり、4人に1人のキャンパーが2025年に国立公園でのキャンプを計画しています。特に若年層(18〜34歳)の91.7%が国立公園でのキャンプを希望しており、他の世代(35〜54歳:82%、55歳以上:78.9%)よりも高い関心を示しています。

人気の国立公園ランキング

  1. イエローストーン国立公園(Yellowstone National Park) 場所:ワイオミング州、モンタナ州、アイダホ州(西部) 特徴:世界初の国立公園。間欠泉「オールド・フェイスフル」やカラフルな温泉「グランド・プリズマティック・スプリング」が有名。バイソンやグリズリーなどの野生動物も多い。
  2. グレイシャー国立公園(Glacier National Park) 場所:モンタナ州(北西部) 特徴:「アメリカのスイス」とも呼ばれる氷河と湖が広がる風景が魅力。車で山岳地帯を横断できる「ゴーイング・トゥ・ザ・サン・ロード」が人気。
  3. グレート・スモーキー・マウンテン国立公園(Great Smoky Mountains National Park) 場所:テネシー州、ノースカロライナ州(南東部) 特徴:アメリカで最も訪問者が多い国立公園。霧に包まれた森林が特徴で、紅葉の名所としても知られる。
  4. アカディア国立公園(Acadia National Park) 場所:メイン州(北東部・ニューイングランド地方) 特徴:大西洋に面した唯一の国立公園。海岸線と森林が調和した景観が魅力で、「キャデラック・マウンテン」からの朝日は絶景。
  5. ヨセミテ国立公園(Yosemite National Park) 場所:カリフォルニア州(西部) 特徴:巨大な花崗岩の崖「エル・キャピタン」や「ハーフドーム」、アメリカ有数の滝「ヨセミテ滝」がある。壮大な渓谷と森の景観が圧巻。

また、36.2%のキャンパーはグレート・スモーキー・マウンテン国立公園に訪れる予定であり、国立公園でのキャンプ需要は依然として高いことが分かります。

(4) グランピングの衰退

かつて急成長したグランピングですが、2024年には4.3%のキャンパーしかグランピングを行わず、2023年の9%から大幅に減少しました。さらに、2022年のピーク時と比較すると76.2%の減少となっており、市場の調整が進んでいることが分かります。

グランピング減少の要因

  • 21.1%のキャンプ場がグランピング施設の追加を控えた
  • 2024年に初めてグランピングを体験した人の割合は1.8%(前年3.8%より低下)
  • 35〜54歳の中年層キャンパーが主な利用者(高所得層が多い)

一方で、グランピング施設は他のキャンプスタイルと比べて予約の取りやすさが34.4%高いという利点があり、高価格帯の市場としては一定の需要が残ると考えられます。


4. キャンプ場施設の動向

キャンプ場の設備は年々進化しており、2024年にはいくつかの新しいトレンドが登場しました。キャンパーのニーズの変化に応じて、キャンプ場がどのように適応しているのかを見ていきます。

(1) ピックルボールの台頭

2024年に最も追加されたキャンプ場アメニティの一つが、ピックルボールコートです。ピックルボールとは、テニスと卓球、バドミントンを組み合わせたようなスポーツで、特にシニア層や家族連れの間で人気が高まっています。

  • 17%の民間キャンプ場が新たにピックルボールコートを追加
  • キャンプ場のアクティビティとして定着しつつあり、今後も増加傾向が予想される
  • 特に中高年キャンパーにとって魅力的なアクティビティとして認知が拡大
ピックルボール

(2) Wi-Fi環境の強化

デジタル時代の影響を受け、Wi-Fi環境の整備が進んでいます。特に、リモートワークが可能な環境を求めるキャンパーが増えたことで、安定したインターネット接続の需要が高まっています。

  • 9.8%のキャンプ場が2024年にWi-Fiを新規導入
  • リモートワークとキャンプを両立させる「ワーケーション」需要の増加
  • ストリーミングサービスやオンラインゲームを楽しむ若年層の影響も大きい

5. OUTSIDE WORKSの視点

The Dyrtのレポートが示すアメリカのキャンプトレンドは、日本のキャンプ市場にも通じる部分が多くあります。特に、ソロキャンプの成長や予約の難易度の上昇、グランピングの衰退といった傾向は、日本のキャンパーの動向とも共通します。

日本では、ブームの落ち着きとともに、より本質的なキャンプの価値やアクテビティへの拡大が求められる段階に入っています。アメリカのように、個々のスタイルに合ったキャンプの多様化や、キャンプ場の利便性向上に向けた運営者の対応が、日本のキャンプ市場の今後を左右するでしょう。

OUTSIDE WORKSでは、これからの日本のキャンプ業界がより持続可能で魅力的なものとなるよう、最新の動向を追いながら、日本に適した形で情報を発信していきます。

TheDyrtのキャンプレポートのオリジナルはこちら:The Dyrt’s 2025 Camping Report Presented by Toyota Trucks



アウトドア事業をもっと楽しむために

運営者の株式会社Okibiでは、キャンプ場やアウトドア施設、体験アクテビティ、インバウンド誘致の支援を行っています。「集客を増やしたい」「施設の価値を高めたい」「新しいことをしたい」「承継問題がある」そんな方は、ぜひご相談ください。

▶︎詳しくはこちら

OUTSIDE WORKSでは、最新の業界動向をお届けしています。

▶︎最新の記事を見る

この記事をシェアする:
アウトドア業界の今を伝え、未来を考えるメディアを運営しています。まだ小さな編集部ですが、業界のリアルな情報や事業者の挑戦を発信し、アウトドアビジネスの成長を後押しします。楽しみながら、業界をもっと面白く!