特集記事:北米キャンプ&アウトドアレポート2024サマリー Kampgrounds of America, Inc.

今回は、北米に多くのRVパークを展開するKampgrounds of America, Inc. 社(以下KOA社)の2024年の7月から12月にかけて発表・更新された最新のレポート、「NORTHAMERICAN CAMPING & OUTDOOR HOSPITALITY REPORT」についてかいつまんで解説をしていければと思います。 このレポートは、KOA社が10年以上前から発行を始めたレポートで、北米のアウトドアシーンを理解するのに最適なものとなっています。(昨年分はこちら)

このレポートは1つの概要レポートと、9つの補足レポートで構成されています。ぜひ以下のリンクからオリジナルのレポートも読んでみてください。

なお、注意事項として、

  • 本件はあくまで北米のカルチャーや風土が前提とあるため、日本から見て必ずしも共感できるわけではありませんが、とても面白い傾向が見えているので、ぜひ参考までに。
  • 発行の主体が第三者ではなくキャンプ・グランピング事業者である点は、忘れてはいけません(なので、ポジティブに捉えるバイアスがかかります)。内容を否定するものでもありませんが、念頭に置いておくことを推奨します。

レポートサマリー

1. キャンプ市場の10年:変化と成長

過去10年間でキャンプ市場は大きな変革を遂げた。キャンプを楽しむ世帯数は23%増加し、アクティブなキャンプ世帯は68%増加。年間3回以上キャンプを行う世帯は98%増加し、キャンプがライフスタイルの一部として定着していることが示されている。

キャンパーの年齢層は若年化し、2022年以降では35歳未満のキャンパーが全体の半数を占めるようになった。さらに、キャンパーの39%が非白人であり、多様な背景を持つ人々の参加が顕著となっている。これにより、従来のキャンプ文化が変化し、より多様なニーズに対応したサービスが求められるようになっている。

また、特定の年齢層や経済的背景を持つ新規キャンパーの増加が市場を活性化させている。パンデミック中には特に都市部の高所得層が新たにキャンプを始める傾向が見られたが、2023年には低所得層や定年退職したベビーブーマー世代、Z世代の参加も増加。こうした層はキャンプをより手軽で快適なものとして求めており、キャンプ場側も多様な需要に応える形でサービスの拡充を進めている。

2. アウトドアホスピタリティの定義と発展

KOA(Kampgrounds of America, Inc.)は、2000年代初頭から「アウトドアホスピタリティ」という概念を提唱してきた。これは、単なる宿泊手段としてのキャンプを超え、リゾート型の滞在体験を提供する包括的なサービスの形を指す。

アウトドアホスピタリティは次のような要素を含む。

  • 宿泊施設の多様化:テントやRVサイトに加え、キャビンやグランピング施設の増加。
  • レクリエーション活動:釣りや狩猟、ハイキング、オーバーランディング(長距離オフロード旅行)など、滞在中に楽しめる体験の提供。
  • 食の充実:バーベキュー設備の充実、地元食材を活かした食事の提供。
  • 快適な環境の整備:Wi-Fiの強化、スマートチェックインの導入、キャッシュレス決済の普及。

近年は、より快適な滞在を求めるキャンパーが増え、特に新規キャンパーの半数以上が充実したアメニティを備えたキャンプ場を選択。これにより、アウトドアホスピタリティがキャンプの主流スタイルの一つとなりつつある。

3. パンデミックの影響とキャンパーの定着率

新型コロナウイルスのパンデミックは、キャンプ市場の成長を加速させた。外出制限や旅行制限の中で、多くの人々が安全なレジャーとしてキャンプを選び、市場は急成長。

特に2020年~2022年にかけては、新規キャンパーの流入が急増し、一時的な市場拡大をもたらした。

一方で、2023年以降は一部のキャンパーがキャンプをやめる動きも見られたが、それでも市場全体としては引き続き拡大傾向にある。最新のデータでは、80%のキャンパーが2024年も継続してキャンプを楽しむ予定と回答。特に、アウトドアホスピタリティの充実が初心者の定着を後押しする要因となっている。

4. 新たなキャンパーの動向

過去10年間で3,900万人が新規キャンパーとして市場に参入

特にパンデミック中には都市部の若年層や高所得世帯の参入が増加。2023年には低所得層やベビーブーマー、Gen Zの参加が増え、より幅広い層にキャンプが浸透している。

初めてのキャンプ体験がポジティブであれば継続率が高まることが分かっており、2023年には新規キャンパーの満足度が17ポイント増加した。

設備の充実が、初心者の定着を促進する重要な要素となっている。特に、家族向けの施設やバリアフリー対応の拡大が、さらなる市場拡大に貢献している。

5. グランピングの台頭

グランピングは、従来のキャンプとは異なる快適で豪華なアウトドア体験を提供し、特に新規キャンパーに人気。2023年には、全キャンパーの58%がグランピングを経験。

さらに、2023年の新規ゲストの34%がグランピングを選択。

2024年には、より多くのキャンパーがグランピングを希望しており、キャンプ市場のさらなる拡大が見込まれる。

設備が整ったグランピング施設の需要が高まり、従来のキャンプ場でもグランピングエリアを併設する動きが加速している。

6. 2024年のキャンプ市場の展望

2024年のキャンパーの意向調査では、旅行の目的として「スローダウンして体験を楽しむこと」が57%、「リチャージできる旅行」が50%とされている。デジタルデトックスやアクティブな旅行への関心も高まっており、自然とのつながりを重視する傾向が続いている。

2024年の旅行体験では、

  • 自然の中で過ごす
  • 食を楽しむ観光
  • 小さな町を訪れる
  • 仕事とレジャーを組み合わせる
  • ユニークなアクティビティを体験する

といった要素が人気となる見込み。旅行者はより深い体験を求め、アウトドア環境を活用したリトリートや健康志向のプログラムにも注目が集まる。

7. 今後10年間のキャンプ市場の予測

今後10年間でキャンプ市場はさらに進化。テクノロジーの活用が進み、AIによる旅行計画や予約のパーソナライズが進展。キャンプ場の設備も充実し、宿泊施設の多様化が進むと予測される。

また、RV旅行は引き続き人気を維持。持続可能なキャンプ場運営や環境負荷の低いアクティビティの導入も求められる。アウトドアホスピタリティの発展が市場の成長を支え、新たな体験価値を提供する時代が到来する。

特に、持続可能性を重視した施設整備、再生可能エネルギーの活用、ローカルコミュニティとの連携が重要視される。キャンプ市場の成長とともに、環境保護の取り組みが求められる時代に突入する。

キャンプ市場は、快適さと自然体験のバランスを保ちつつ、より多くの人々に開かれたアウトドア体験を提供し続けるだろう。


以上が大まかな概要の翻訳です。

以降は、補足資料毎にまとめていきます。

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